自分がなぜ怒るのかをはっきりさせると、その怒りを表に出す前に、それが正当かどうかを吟味できる。 もし正当ではないと感じれば、怒りはその勢いをすぐに失って、もともと自分を怒りに駆り立てていたものも結局は大した問題ではないと思えてくるだろう。
結果として、自分に正直でいられるし、大切な人間関係をこわさずにすむ。 私のエピソードを紹介しよう。
1970年のある晩のこと、家へ帰ってみると、Bが泣きながら夕食の支度をしていた。 私たちの娘はどこにでもいるティーンエイジャーだったが、学校から戻ると自分の部屋の床に服を投げつけた。
それは、Bが朝、アイロンをかけてあげた服だった。 同じようなことは前にもあったそうした状況を解決する糸口を求めようと、私たちはあるセミナーに参加した。
そこで紹介された、「非難陳述法」に対する「状況描写法」というのは次のようなものだ。 娘をネガティブな非難で責め立てても、パタンとドアを閉められてコミュニケーションが断絶するだけだ。

その代わりに、こう切り出す。 「おまえがそうするといつでも私は腹が立つ。
それはね、おまえのふるまいがお母さんを動揺させるからなんだ。 そして夕食の時間は最悪になるからだよ」「だって、あれはみんな私の服だもの。
それに、私の部屋だし」「おまえがそういうふうに言い返してくるから私はイライラするんだ。 これからも床に服を投げつけるのをやめたくないとおまえが言っているようなものだからだよ」「母さんは、私の服にアイロンかけることなんてないのよ。
私、自分でやるから」「おまえのその言葉は、もっと不愉快になる。 なぜって、服を床に投げるようなやつがその服にアイロンをかけるなんてこと、どうやったら信じられるっていうんだい〜」ここで言いたいのは、「状況描写法」を用いても、娘に自分の服の整頓はさせられないかもしれないが、少なくともドアをパタンと閉めないようにはできるということだ。
娘を充分反省させようと、私は声を上げてがみがみ言い出した。 「自分勝手だぞ!部屋が豚小屋だ」。
娘は「ここは私の部屋よ!」と叫び返してきた。 それから私は怒りのボルテージを少し上げた。
「母さんのことを考えていないだろう!おまえはつべこべ言って……」すると娘は部屋に入ってドアをパタンと閉めた。 私がこの手の非難したとき決まって行われる、彼女にとっての唯一の防衛手段だった。
ケーションをしたのはたしかだ。

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